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葉月日記

葉月日記

★有酸素運動と無酸素運動

★この文章は、2005年度、東京都某区の消費生活通信講座のテキスト用に、書いたものです。


2. 運動の種類

● 健康を維持、増進するために必要な体力要素とそれを高める運動の種類

  1. 心肺持久力    →  有酸素運動(エアロビクス)

  2. 筋力・筋持久力  →  筋力トレーニング(レジスタンス・トレ                 ーニング)

  3. 柔軟性      →  ストレッチング(柔軟体操)

  4. 身体組成     → 有酸素運動・筋力トレーニング

 有酸素運動・筋力トレーニング・ストレッチングをバランスよく行いまし

ょう。


(1) 有酸素運動 (エアロビクス)

● 有酸素運動(エアロビクス)と無酸素運動(アネロビクス)
 
 エアロビクスというと、レオタードを着て音楽にあわせて動く、エアロビ

ックダンスを思い浮かべるかもしれません。もちろん、それもエアロビクス

ですが、「エアロビクス」とは、日本語では「有酸素運動」と訳されます。

呼吸によって、空気中の酸素を取り入れ、体内の糖と脂肪を使いながら持続

的に行う、軽度から中等度の強さの運動のことを言います。ウォーキング

や、ジョギング、サイクリング、水泳、クロスカントリースキー、エアロビ

ックダンスなどが、代表的な有酸素運動です。

エアロビクスという言葉が、広く一般に使われるようになったのは、196

9年にNASAのクーパー博士によって「エアロビクス」という本が出され

てからです。

当時のアメリカは、心臓病患者が急激に増え、心臓病による死亡者の割合が

全死亡者の5割以上を占めるほどで、大きな社会問題になっていました。

そのような背景があり、クーパー博士は予防医学の立場から心臓病の予防と

健康体力の向上にエアロビクスが有効であることを明らかにし、その理論

は、またたく間にアメリカ中をエアロビクスブームに巻き込みました。そし

て世界中に広まり、日本では、1970年代にレオタードでエアロビックダ

ンスをするという運動が広まったため、エアロビクスというと、エアロビッ

クダンスのイメージが強くなっています。

有酸素運動(エアロビクス)に対して、重量挙げや、100メートルダッシ

ュのような酸素を使わずに行われる運動を無酸素運動(アネロビクス)とい

います。筋肉中のグリコーゲン(糖)をエネルギーとして使い、短時間に強

いパワーを発揮しますが、すぐに疲労物質(乳酸)がたまり、筋肉は収縮で

きなくなるので持続時間は最大でも40秒ほどです。



● 有酸素運動の効果

 
 1.有酸素運動により血液の循環がよくなると、酸素や栄養素などが全

身に運ばれ、からだ全体が活性化してきます。また、総コレステロー

ル、中性脂肪、血糖値、高血圧の値を適切にし、生活習慣病を予防し

ます。

 2・毛細血管網の発達促進により、高血圧を予防、改善し、虚血性心疾

  患、脳卒中の予防にもつながります。

 3.心肺能力が高まり、スタミナが向上します。

 4.HDLコレステロール(善玉)が増えます。HDLコレステロール

  は、血管壁にたまったコレステロールを肝臓に運ぶ働きがあり、動脈

硬化を予防します。

 5.体脂肪を減らし、肥満を予防、解消します。

 6.インスリンの働きを高め、糖尿病を予防します。

 7.気分をリフレッシュさせ、ストレスを解消します。

 8.脳や神経の働きを活性化し、認知症を予防します。
● 有酸素運動の条件は次のようなことです。

・全身運動であること

・激しすぎず、長く続けられる運動であること

・5分以上続く運動であること


 好きな運動であることが望ましいのですが、サッカーや、テニスなどのゲ

ームプレーは、つい頑張りすぎてしまい、運動強度が強くなりがちです。ま

た、野球の試合やゴルフなどは、動きの少ない場面が出てくるので、運動強

度を一定に保つことが難しくなります。もちろん、これらのスポーツを楽し

むのはとてもよいことですが、健康のための有酸素運動の効果を期待するな

らば、ウォーキング、ハイキング、サイクリング、水泳、水中ウォーキン

グ、ダンスなどが適しています。なかでも、ウォーキングは気軽にでき、運

動強度も調整しやすいので、多くの人にとって、最も合った運動といえま

す。


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